ひとりっこよじはむ

よじはむだよォ〜おもしろいよォ〜

#22電子書籍では表せない色

 

よお。よじはむだよ。

f:id:yojiham:20220606111554j:imageアコム行って死ぬほどワクワクしてる30歳

バケットリスト、一つ完了。楽しかった。

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俺、本好きでよ。家建て替える前は小説やら漫画やらを雑多に集めては本棚やらそこいらに投げ散らかしてたんだけど、iPhoneiBooksに出会ってから間もなく本棚が消えたんだ。

電子書籍って本当に便利すぎんだよね。ミニマリストでは無いんだけれども脳の作り的に物事は極限までシンプルに考えないとすぐに過負荷で止まるから、普段からなるべく無駄を減らすようにしてるんだ。

本格的に電子書籍に移行したのはかれこれ携帯が4代前くらいか。チビチビ買い出してるからもう少しで10周年かな。iBooksの利便性には本当感謝ですわ。1000冊くらい買ってたわい。

移行して最初は本を開いた時のページとページの真ん中んとこの読みやすさに度肝抜かれたね。セリフとかは極力見やすいところにあるんだけどそれでもガッとページを開かないと見えないし、1/8くらい絵が潰れてたんだなって。絵が真っ直ぐなのもいいね。

あと暗闇で寝転がりながら漫画読む、なんてのもできるじゃん。バスとか電車乗ってる時に膨大なコレクションから本読めるじゃん。こんなんドラえもんの世界だぜ?最高やで…

単純に絵が真っ直ぐなのもいいね。本読む時どうしてもページが丸く変形するから単行本サイズだとコマが間伸びして見えるんだよね。あとは紙と違って真っ白だから絵が良く映えるんだわ。活字もやけにクッキリだし。冗談抜きに2割増しくらいで読みやすくなったかな。

電子書籍ライフ、最高…ってクソ満喫してたんだけど、とある漫画に出会ってから少し考えが変わっちゃってよ。

ひらやすみ って漫画なんだけど、知ってる?

Twitterで試し読み的なツイートが回ってきてビビっときて速攻買ったのがはじまり。

この漫画は普通の日常の話だから、自分を投影して読む読み方が凄く合うはずなんだけど、主人公の29歳のんびりフリーター、ヒロトくんにはずっと置いてかれっぱなしでよ。読めば読むほど今まで信じて疑わなかった幸せの地盤が緩む。

ヒロトくんがどうしてヒロトくんであるか、ってのが夢だった俳優になれなかった事を透かしてどう伝えてくれるのか、ちょっと期待してます。今俺は夢と自分の距離感が分からないまま夢遊病のようにセカセカと生きてるから生き様として一つの答えが知りたい。そしてブッ飛びたい。

それと同時に彼のように生きられたらって思う。生きられたはずなんだけど、自分がどんどん自分の期待と、気にしてないはずの周りの目が変えた"こうあるべき自分"に変わってしまった事を痛感する。ヒロトくんは「よくわからないんだよね。幸せって。」だってよ。もう全部ソレじゃん。

 

と、感想がアツくなるくらいお話も秀でている事ながら絵が凄いのよ。

えろ漫画のような綺麗なデジタルイラストや、浅野いにおのハイブリッドイラストもそれはそれは壮観で素敵なんだけど、やっぱりグッと来て感動するのはいつもペンで書いた表情や風景で、ひらやすみも正にそう。

舞台が阿佐ヶ谷で、予備知識が阿佐ヶ谷姉妹しか無い街だけど終電後の大通りを、夕間暮れの街明かりを、晩御飯どきの空が大きく描かれた時を、いちいち溜息が出てしばらく呆けて眺めちゃうくらい綺麗に描かれてるのよ。

中でも1番好きなシーンは2巻のクライマックス、晩御飯時の釣り堀で友達のヒデキと同居人のなっちゃんの幸せを目を閉じて噛み締めるヒロトくんが描かれてる見開きのシーンなんだけど初めて見た時に足先から頭のテッペンまで鳥肌が立った。てか見て。買って。共有すべよ。

"ちひろさん"で目の見えないタエさんに"見えない事で強く丁寧に感じられる"って教わってるから今までを、今の全てに委ねてじんわり感じてるシーンがたまらなく好き。

こりゃ紙で読むべきだ!って全部揃えたけど大正解。電子書籍の悪い所として見開きページが片方ずつしか表示出来ないのよ。だから一枚絵として要所のシーンを見た時暫く眺めちゃった。ガンギマリ。複製原画待ってます。

あと気付いたことがあって、蛍光灯の下と太陽光の下で表情が変わる。多分影のつき方と光の彩度なんだろうけど、夜のシーンが明け方ごろになったり、昼が昼下がりになったり、ちょっとした大きい違いがまた別の解釈を産んで素晴らしくイイ。

本自体も日の光で徐々に茶色くなって行くとまた絵が変わるね。1巻がそこそこ茶色いんだけど、夜の白い所が霞んでぼんやり暗くなってきた。

育つ漫画。素晴らしい。何度も読み返してその度にため息をつくんだろう。

色を変えて何度も楽しませてくれる漫画。一生物の漫画。本当にこの時代に生まれて良かった。

とは言いつつ俺の人生のバイブルは「行け!稲中卓球部」前野を心からリスペクトしてる。俺は俺で行くしかねぇ。