ひとりっこよじはむ

よじはむだよォ〜おもしろいよォ〜

コラム 山並みを抜けて

 

山に住んでいる。

突然だが、ちっちゃいころからいままでずっと千葉県の山を切り開いた住宅街に住んでいる。

少し車を走らせれば海に着くせいで木々と海と人が共存している(ように見える)生活に慣れている。故に人と自然の違いも、物心がついた時からずっと考えて育ってきた。

 

 

 

バンドをやっている。かれこれ人生の半分はずっと本気で。好きなこととは言え熱中すればそりゃくたびれる時もある。

冬に始まったツアーが春を越え夏を越え、秋の兆しが立った頃終わった。夢中になってライブをやった。

その後突然限界が近くに居たので9月はなんもしねー期間にすべ。って思って実行した。てかしなかったら多分死んでた。

基本思想は死ねば一生寝れるし老いれば一生アマプラ見る生活が出来るから今はバンドを頑張ってやろう。って感じで生きてるからまぁしんどいわな。バンドって音楽だけじゃないしな。タスクの連続、人と人との関わり、それに関する出入り、アホの対策と後始末、周囲の目。聞いてないアドバイス

そんなんを飛ばすくらいのポジティブな原動力や思念が"活動"なんだが、黒いアイツはポジティブにつきまとってくる。知らずに体に染みていき、徐々に溜まって行って膿袋になる。弾けると途端に鬱がやってくるからたまに抜いてやらなきゃいけない。絶対に手前でどうにかしないといけない。鬱を越えた人はここが強みだ。慎重に行けば死ぬまで元気で居られる。

こないだ某バンドの人たちと鬱&自殺トークに花が咲いたんだけど、一人一人上手くやってて本当に凄いと思った。

行くあてもなくドライブし、ただひたすら知らないところへ行く人。皆と会ってなんとかする人。ひたすら無になる人。薬でなんとかしてる人。

俺は本当何も出来なくなる。家族ですら会いたくなくなるしLINEが来ると枕に顔を埋めて叫ばなきゃいけなくなるからipadでひたすらYoutubeの好きな人たちをダラダラ流す。布団ちゃんやゆっけちゃん、Vtuberのぽんぽこちゃんやでびちゃん。この辺りの人たちは人畜無害だから何も出来ない時には本当に元気をくれる。言葉の端に危ないものを引っ提げてる人はちょっと好きになれないからね。何でも勘繰ってしまう時信用出来るのは綺麗な作品と真正直な人間だ。

そうやってナマコしてるといつの間にか朝が来る。もぞもぞと動き出す。なにもしないをオーバードーズしてるから、足からゆっくりと。

 

本当はこう言う生活が好きなのだ。最小限のカロリーを接種して、最小限社会と接して、そして心のままにお金のかからない娯楽を楽しんで、緩やかに死んでいきたいのだ。だからいつも人間のコマンドの多さに辟易してる。傷つかないように、傷つけないように、モラル、ルール、暗黙の了解、全部嫌いだけど全部混ぜないと居られない。ナニコレ。

普段結構上手くやってるんだなって思う。そして普段複雑怪奇なコマンドを入力し続ける事で制御出来ないストレスに変わってるんだなって思う。

本当なら僕はナマコとかウミウシとか、はたまた木になるのが向いていた。その方が幸せだったかもしれない。なまじこの複雑怪奇なコマンド入力を行う人に産まれてしまったばかりに心と心の隙間で乖離が起こっている。

お触り体験水槽にナマコを落とすと、落とされた地形に寄り添って生活するじゃん?アレを現代社会でやってる感じ。本当は落ち着きたいのに逆変換して刺激を発生させ、周りと溶け込んでいるんだ。だから落ち着く場所に行くと動かなくなる。だったら今の俺はせかせか動くナマコか。ちょっと可愛い。

 

 

 

山並みを縫う様に車が抜けて行く。今日もその一つに僕が混じる。行き先は海か、空か、はたまた地面か。