ひとりっこよじはむ

よじはむだよォ〜おもしろいよォ〜

コラム 吾輩はナマコである

 

ただ、沢山の名前がある。

 

充実した日々の最中、何でもない瞬間に突然終礼が鳴り、ライフが真っ赤になり、1人にならねば今すぐ高台から飛び降りて死にたくなる時が訪れる。

そんな時は決まって目の前に沢山のタスクが残っている状態で、しかも日頃であれば易々と飛び越えて然るモノたちであるが故に余計にキリキリと脳髄を締め付ける要因になる。

理由など無いが、新築の6LDKが、身の丈に合っていない会社が、あるべき自分が不可逆的に折り重なり不器用なクロワッサンでハングマンズノットを作り、その輪の向こう側で親しい人たちが笑みを浮かべているのが見える。

誰も悪く無い。全部いいこと。でも相反するように沢山の負荷を掛け合って生きている。人と人はそうして慈しみ合い、枯れ合うもの。

俺は全くと言っていい程ここに美しさを見出せない。実は人は作りものになった時初めて美しさを出す。奥にある結晶のようなものの一角が自分を取り繕った時に堪えきれず初めて表に出るからだ。

今も尚脳が充血して真っ赤になっているような感覚があるが、まじまじと自分を見るにはこの方法しかないのでほんとうに一生懸命文字を打っている。

傲慢な事にこんな時でも周りは変わらないで欲しいと願ってしまう。完璧な依存である。

本質なんて誰も興味がない表層だけの世界で、自分だけは丸くなって心に寄り添うことができる。

こういった時1番の特効薬は1人になる事だ。何をするわけでもない。ただじっと、寛解期を待つ。全ての負荷をそっとゆるめて、ただじっと底へ潜る。適度な岩を見つけ、体を横たえる。そして、朝を待つ。